上の二つの特徴が意味しているのは、①短時間で課題文の趣旨を理解するスキルを持っていないと合格できないということ、②少ない字数で自分の言いたいことを説明しつくすスキルを持っていないと合格できない……ということです。これらは、東大を典型とする最難関大学の現代文試験と同じ仕組みです。つまり、慶大小論文対策の一環として、国語力（＝文章読解力＆記述力）の養成が不可欠です。

慶大受験生が入試本番までに学ばねばならないことはたくさんあります。とすれば、小論文対策だけに時間を費やしている余裕はありません。限られた学習期間で最大限の効果を狙うための訓練が必要です。この場合、参考書に載っている知識を片っ端から暗記して行くという、時間のかかるやり方はNG。その時々に与えられた課題文の趣旨（課題文は解答を導き出すための最大のヒント！）と、志望学部の過去問を分析して割り出した必要最小限の予備知識とを頭の中で組み合わせ、どのような答案を書くべきかを発想することができるようにしておく……これが、本講座のコンセプトです。以下に、過去問を分析すると見えて来る、慶大の各学部が小論文受験生に求めているものの考え方を紹介します。受講生の皆さんにこそれらの考え方を習得していただくことも、本講座の大きな目的です。