「タイパ」は受験に役立つか? ①

query_builder 2023/05/01
学習塾(中高、受験生)12

 タイム・パフォーマンス、略して「タイパ」。最近の流行語です。コスパ(=コストパフォーマンス)が、かかった費用(=コスト)に対して得られる効果の大小を表す言葉であるのに対し、タイパは、かかった時間(=タイム)に対して得られる効果の大小を表す言葉です。例えば、より少ない費用で期待していた以上の効果が得られれば(=金銭的お得感が高ければ)「コスパが良い」といい、費用がかかった割には期待していた程の効果が得られなければ(=金銭的お得感が低ければ)「コスパが悪い」といいますよね。これと似て、より短時間の作業で期待していた以上の効果が得られれば(=時間的お得感が高ければ)「タイパが良い」といい、反対に、作業に時間がかかった割には期待していた程の効果が得られなければ(=時間的お得感が低ければ)「タイパが悪い」というのでしょう。


 報道などによれば、現代人にはタイパを重視している人が多いらしい。例えば、動画を観る際には倍速で再生したり、映画や小説を観たり読んだりする際には最初に結末を確認しておいたりする人が今や珍しくないといいます。大学生(=勉学をする人々)もその例外ではないようです。最近、近畿大学(大阪府)がオンライン授業の受講生(約1,200人)にアンケートを行ったところ、半数近くが再生速度を速めて授業動画を視聴していると回答しました。興味深いのは、彼ら・彼女らの平均成績です。通常の速度で視聴していた学生の平均点が約78点だったのに対し、1.25倍速で視聴していた学生では約77点、1.5倍速の学生では約76点だったというのです。この結果を受けて大学側が出した結論は、「授業動画の視聴速度と成績との間に相関は見られない」というものでした。(「朝日中高生新聞」2023年4月23日刊)


 上の調査結果を見る限りでは、動画の再生速度が速まるのに比例して成績は下がっています。ということは、勉学に「タイパが良い」などということはあり得ないのでしょうか? ウ~ム……。次回のブログでは、このことについて更に考察してみます。

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